代表インタビュー②：偏差値35から早稲田に合格してから12年、リクルートで働き3年、どうしても教室に戻ってきたかった（後半）
進学塾PARKSのご紹介
進学塾PARKSセンター南校は、小学生〜高校生を対象に、代表自らが授業から進路指導までを一貫して行う定員制の進学塾です。制限なく学習してほしいとの想いから個別指導の2-3教科の値段で5教科(もしくは受験科目全て）を提供し、毎日実施される定着授業は受講し放題です。「合格を超える体験を」をかかげる同塾の代表に開校の想いをお伺いします。
インタビューする先生
千葉隼也先生 進学塾PARKSセンター南校代表
偏差値は35から早稲田大学に合格した苦労人。在学中から集団塾と個別指導塾で講師を勤め、大手学習塾に入社。小学生から高校生まで数多くの生徒を合格に導くとともに、オンラインコース、教務、システムなどを歴任。その後リクルートに入社し、教育機関向けスタディサプリの企画担当として事業企画や営業推進を担当。2024年6月、進学塾PARKSセンター南校を開校。
受験合格後の燃え尽きで、学びの機会損失が目立った大学生活
-大学で身になったことや今に生きている経験を教えてください
千葉先生 1点目は興味のある科目を広く受講しました。社会科学部は必修科目は語学だけで、教養科目を幅広く選択できることが特徴です。政治経済から農業、異文化コミュニケーションなど多様な科目を知ることで広く興味を持つことができました。これは今でも、まず自分で調べる、取り組むという姿勢につながっています。
2点目はグローバルな視点を得られたことです。私は日本語を海外の方に指導する日本語教育を副専攻とし、積極的に海外の方と時間を共にしました。この時間では自分の価値観の広がりを感じることができました。
–大学で後悔が残ったことを教えてください
千葉先生 入学時からやりたいことの軸がないため、場当たりの選択をしてしまったことで、大きく2点の後悔が残っています。
1点目は教員免許を取得しなかったことです。社会科学部は選択科目が多いものの、教員を目指すためには、教育学部の授業を受講する必要があり、相当数の授業が必要でした。アルバイト等もやっていたため、時間の工面ができず途中で断念しました。今振り返ると自分で教育に関心があることを深堀し、キャリアを考えていたら、何よりも優先して取り組むべきことでした。何度となく教員への転職を考えましたが、教員免許の取得はできますが膨大な時間と費用がかかるため現実的には選択できず、後悔の一つです。
2点目は長期の海外留学をしなかったことです。英語の読み書きは、どの仕事でも絶対にプラスになります。また英語で話せるのがかっこいいという憧れを持っていた私にとって、この決断をできなかったことは、心残りです。
いずれにしても、キャリアや進路と向き合わず、場当たりの判断をしてしまったことで貴重な機会を十分に生かせなかったです。
紆余曲折、多様な経験を積んだ講師としてのキャリア
–在学中から塾の講師ではどのような経験をつみましたか
千葉先生 最初に勤務した塾では、生徒それぞれにあった教育の重要性を感じました。下町の人情あふれた地域にある塾で、生徒が補導されたり、授業中のおしゃべりは当たり前。一人ひとりと対話することで、生徒におかれる背景は想像以上にバラバラなことを知りました。大学から離れていることもあり、1年程で退社しましたが、入塾当初は休みがちで全くいうことを聞いてくれなかった生徒と保護者から感謝のお手紙をもらったことが、この仕事にのめり込むきっかけになりました。今振り返るともっと適切な指導方法がありましたが、がむしゃらな想いが伝わったと思います。
次は個別指導塾で勤務し、ある生徒との出会いで「合格へのこだわり」を強くもつことになります。生徒それぞれに合わせた指導ができる個別指導塾は、前の塾ほど授業の難しさはなかったですが、一人ひとりの学力向上への責任がのしかかります。その生徒は、勉強自体は苦手意識がありましたが、伝えたことは取り入れて勉強してくれました。しかし志望校とのギャップを埋めきれず結果は不合格。最後にお手紙をもらいましたが、「先生に出会えてよかったです。合格できずにごめんね」と綴られていました。これ以降私は塾講師の根幹である「合格」にとことんこだわることになります。
–大手進学塾に就職していますが、背景を教えてください
千葉先生 新しい教育に携わる事業開発に従事するためです。大学時代に同塾の新規事業開発室の設立に伴い、インターンとして招待されました。当時、スマートフォンやLineが急速に普及し、IT×教育の領域（Edtech)が注目され、同社でも事業開発を推進する部門が設立され、人の縁もあり、インターン生と携わることになりました。
就職活動中の私は一度教育業界から離れ、コンサルや商社など汎用的なビジネススキルを高められる会社で修行を積み、社会人としての成果を出してから教育業界に戻ってくる予定でした。科目指導だけではなく、社会で活躍する人材を育てるには社会を知る必要があると考えていたためです。しかし、インターンをしていた会社から新規事業開発のポジションでの新卒入社の誘いを受け、教育領域の新規事業に関心が強かったことと上司がコンサル出身だったことで、稀有なキャリアを歩めると確信し、進学塾に就職することに決めました。
-大手進学塾の入社後はどのような仕事をされましたか
千葉先生 新規事業開発、集団塾講師、そして個別指導塾マネージャーを担当しました。
新卒後に入社した新規事業開発では、主にプロジェクトにおける業務設計や現場との調整を担当していました。しかし、入社からわずか半年で、上司の退職に伴い新規事業の部署が解体されることが決まりました。当時の私は教育現場にはビジネススキルを磨いてから戻ってきたい、そういう大人こそ伝えられるものが多いと思っていたため、大変ショッキングな出来事でした。後にリクルートに転職しますが、この時の心残りがとても影響しています。
その後、一部の業務を除き学習塾部門が主務となりました。文系科目を中心に集団指導を3年間経験し、徹底的に授業力を磨きました。プレゼン力、大人数の中でも生徒一人ひとりの変化を察知する力、テスト対策など誰もいない教室で何度も練習しました。今思えば、「授業をする」ということの基礎を鍛えられました。
一方で、集団授業ではどうしてもクラスの上位に合わせて授業を行います。そのため一人ひとりにあった指導が難しく、どうしてもついてこれない子、授業が簡単で可能性を伸ばしきれない子、部活の関係で毎回遅刻する子など、不具合が生じます。そこで、個別指導部門に自ら異動を願い出て、生徒一人ひとりに合わせた指導を磨きこみをすることにしました。
-個別指導部門に異動されたんですね
千葉先生 はい、個別指導では生徒ひとりひとりに合わせたカリキュラムを作成し、レベルに合わせた授業を実施します。生徒の特性を定量定性で判断し、1回、1か月、数か月先まで計画を練ります。まだ、授業は大学生の講師が行いますが、マネージャーという間接的な立場でも生徒と信頼関係を結ぶことは難しいのですが、効果的な生徒への声かけ方やタイミングを経験の中で身に着けました。緻密な努力と優秀な講師の皆さんに支えられ、私の担当校は、3年間で生徒数が約3倍の人気校になりました。
加えて、教室の運営と並行し、教材選定や指導方針を設計する教務、コロナ禍におけるオンライン授業への緊急対応のリーダーなど様々な領域に幅を広げていきました。最終年には新規開校も任せていただき、塾運営としてのノウハウを学ぶことができました。
社会で活躍した経験のある人材として携わりたいという想いから塾からリクルートへ
-一度学習塾から離れているとお聞きしました きっかけを教えてください
千葉先生 1点目は塾から離れてビジネスの経験を積みたかったためです。塾講師は特殊な仕事でいわば職人のような仕事に近いです。授業や生徒対応の質は経験とともに上達していきますが、社会とのつながりは少なく、生徒が社会で求められるスキルやスタンスが頭では分かっていても、実経験としてないことで、多くを伝えられていない気持ちが強くありました。そこで一度塾から離れて修行する時間を作ることにしました。
2点目はICTを活用した学びの効率化に強く関心を持ったためです。塾はまだまだ紙と鉛筆の時代から抜け出せていませんが、アプリを活用することでより頻度高く学びの効率化を実現できるのではと考えました。また、社会ではかねてよりITを活用した働き方となっていますが、教育現場とのギャップも痛感していました。
そこで上記を両立できるリクルートに転職しスタディサプリの担当となりました。
-リクルートではスタディサプリのどんな仕事をされていましたか
千葉先生 教育機関様（学校、塾）向けのスタディサプリの事業企画と営業企画を担当しました。主な役割は「どうすれば学校で導入されるか？」「どうすればより生徒に使ってもらえるか？」を企画検討することです。
–リクルートではどんなことを経験しましたか
千葉先生 1点目はビジネスで必要な基礎スキルを理解できたことです。もちろんリクルート1社では汎用的ではないですが、一般論としての仕事の進め方やスキルを知ることができました。スケジュール化や目標に対してのアプローチは勉強は受験でも通じることが数多くあり、塾の指導でも実践し、社会に出たときにも活用できる一生モノの力を指導していきたいと思います。
2点目は多様な背景の人と出会えたことです。塾にいるとどうしても教育に思いの強い同種の人材が多いのですが、リクルートでは教育に想いもありつつ、様々な実績やバックグラウンドを持った人材が集まっていました。この経験から、生徒たちのロールモデルとして紹介することができ、進路指導の質が大幅に高まると考えています。
3点目はICT教育の知識と実践例に数多く触れたことです。事例取材なども通じ、数多くの教育機関のICT教育の推進に携わることができました。気づきの一つとしてICTはあくまで道具であり、使いこなすには一定のリテラシーが必要であることです。ただ導入する、やってもらうだけではなく、取得したデータをどう活用するか、それをどう生徒の意欲喚起につなげるか、またその価値を伝え続けるようなソフト面も大変重要です。この経験は塾を開業後もICT教育の一人の実践者として肝に命じていきたいと考えています。
全ての経験を生徒一人ひとりにつぎ込んでいく
–改めて塾を立ち上げられた理由を教えてください
千葉先生 最大の理由は「生徒とまた授業がしたい！」という本能から湧き出る想いです。前職でも間接的に教育機関さまのお手伝いを通じ生徒へ貢献する実感をもって仕事はできていました。一方で直接、同じ場所で生徒の成長に伴走することは何事にも変えられない喜びがあることに再認識し、どうしても戻ってきたいという想いが沸いてきました。
また、様々な経験を通じる中で。自分であれば今のテクノロジーを活用しより効率的により成果につながる学習方法を提供できると考えたからです。以前の塾に戻る選択肢もありましたが、既成概念に捕らわれず、より良い学びを追及するため自身で立ち上げることにしました。
–最後に、進学塾PARKSを検討される方へメッセージをお願いします
千葉先生 進学塾PARKSは生徒にとって公園のように身近な存在でありたいという想いが込められています。また、「世の中の挑戦の総量を増やす」という壮大なビジョンに向け、生徒への成功体験と社会で活躍するためのスキルやスタンスも伝えていきます。「勉強は苦手だけど一歩踏み出してみたい」「志望校に向けて目的意識を持って取り組みたい」等幅広くお預かりします。これまでの経験の全てを生かし指導に当たりますので、ぜひ一度教室まで足をお運びください。きっと今の勉強法よりも数倍濃い学習が待っています。
–本日はありがとうございました
